2022年11月16日水曜日

猿の群

 


    いつも通る県道。家を車で出てすぐの所に何か動物の死体があった。おそらく車に轢かれたのだろう。可哀想だとは思うが、残念ながら珍しい事ではない。暫く走り続けて、峠を越えた辺りのカーブが連続する場所で、今度は猿の死体を見付けた。しかも1匹ではない。何匹かの猿が血だらけのアスファルトの上で、何故か座るような格好で死んでいる。



   車を降りて近付いて見てみると、胎児の死体も2匹あって、それらまでまるで誰かが置いたように座った姿勢をしていた。僕が自分のブログに掲載する為に、この異様な光景をスマートフォンで撮影しようとしていると、白い軽自動車がやって来た。その運転手は余所見をしていたせいか、酔っ払っていたのか、カーブで事故を起こし、車をひっくり返してしまった。



   そのすぐその後に今度は白い軽トラックがカーブの向こうからやって来た。運転手の中年女性は笑いながら、事もあろうか車のスピードを緩めずに、使い捨てのカメラで猿を撮影していた。それを見た僕は、「危ないからやめろ!あっちへ行け!!」と手振りで叫んだ。