2022年11月16日水曜日

猿の群

 


    いつも通る県道。家を車で出てすぐの所に何か動物の死体があった。おそらく車に轢かれたのだろう。可哀想だとは思うが、残念ながら珍しい事ではない。暫く走り続けて、峠を越えた辺りのカーブが連続する場所で、今度は猿の死体を見付けた。しかも1匹ではない。何匹かの猿が血だらけのアスファルトの上で、何故か座るような格好で死んでいる。



   車を降りて近付いて見てみると、胎児の死体も2匹あって、それらまでまるで誰かが置いたように座った姿勢をしていた。僕が自分のブログに掲載する為に、この異様な光景をスマートフォンで撮影しようとしていると、白い軽自動車がやって来た。その運転手は余所見をしていたせいか、酔っ払っていたのか、カーブで事故を起こし、車をひっくり返してしまった。



   そのすぐその後に今度は白い軽トラックがカーブの向こうからやって来た。運転手の中年女性は笑いながら、事もあろうか車のスピードを緩めずに、使い捨てのカメラで猿を撮影していた。それを見た僕は、「危ないからやめろ!あっちへ行け!!」と手振りで叫んだ。




2019年4月6日土曜日

詐欺師の講演会



    知らない男と一緒にチェックインした後、ホテルの外に出かけた。
    その後、一人でホテルに帰ってくると正面玄関のガラスのドアが閉まっていて開かないので、裏口から中に入る。
 


   金属製の階段を上がりきった所に何故か汚い便器がある。床にはウンコらしい物がこびりついている。
   その近くのドアを開けると、社員食堂のようなホールになっていて大勢の人がいくつかの四角いテーブルを囲んで座っている。床の色や素材は自分がとった部屋と同じだと気付く。


    一人の男が正面で何かを話している。どうやらここは詐欺師のセミナー会場らしい。
    僕が新聞社に連絡しようとすると、目の前で会場にいる人達が倒れていく。
    一人の若い女が出ていくと言うので僕も後に続く。
   ドアを開けた時、履き物が無いのに気づく。びしょ濡れのビニールのスリッパがあったが裸足のまま階段を降りた。

2019年2月6日水曜日

拐われた猫


    家の前で男に猫を誘拐された。

    すぐ犯人を追いかけた。


    停止した乗用車の中に猫が閉じ込められている。その傍に3人の男達。

    僕は近くに置いてあった猟銃を拾い上げ、引き金を引いたが弾が出ない。

    レバーを引いてもう一度試してみたが発砲はしなかった。

   それで今度は銃を逆さに持ちかえて台尻で思いきり男達を殴った。


    やつらはニヤニヤ笑っていた。

    全く効果が無かった。

 

2019年2月2日土曜日

さぶちゃん


    人混みの中をオートバイでゆっくりと進み、体育館のような場所に辿り着く。
 
    入口で靴を脱ぎ、中に入ると何故か北島三郎がいる。


    いつの間にか彼を僕の家に招待する事になり、車で送らなければいけなくなった。僕はオートバイでここまで来ているので車を借りて、後で返しに戻らないといけないな、とか考える。

   建物から出ようとして自分の靴を探したが何処にも見当たらない。

   どうしようか。これでは北島三郎を我が家に連れて行く事が出来ないではないか。

    僕は途方に暮れた。


2018年11月26日月曜日

本とデベソと橋

 
    どこかの学校のような建物の中で本の隠し場所を探している。本が沢山ある本棚の中に隠そうと思っていたのだが、良い場所が見つからない。

    そうこうしているうちに、卒業の記念か何かで使い捨てのカメラのような物でそれぞれが写真を撮る事になった。


    僕は傍にいた女の子のデベソを撮影させてもらった。その娘の顔は、高校の同級生だったN子に似ていた。


    その後、表に出て木造の大きな橋を撮影した。その橋は欄干が無く、老朽化であちこちに穴があいていた。

2018年10月23日火曜日

甥と陸亀

 
   そこは自宅のはずだが、現実より部屋の中はもっと新しく、明るく、清潔で広かった。
   甥が訪れている。食事中に僕が話しかけても彼は素っ気ない返事しかせず、態度がすこぶる悪い。

    甥がいつの間にか姿を消していたので二階にある僕の部屋に行ってみると、彼は水槽の中の陸亀を熱心に見ていた。

   そこで陸亀の飼い方について詳しく説明をしてやると、急に彼の態度が変わり、会話が弾むようになった 。
   水槽の裏側にある機械や配線についても質問されたが、それは僕にとっても初めて見る物だった。



2018年10月21日日曜日

知らない男

 
   そこは自分の家にそっくりだが、どこか微妙に違う場所。

   突然知らない男が茶の間に入って来る。その男は裸で、全身血だらけ。手に包丁を持ってニヤニヤ笑いながらこちらに何かを訴えかけている。
   男の言葉ははっきりとは聞き取れなかったが、「病院」とか「怪我」とか言っているように聞こえたので、僕は救急車を呼ぼうかと男に告げる。だが男はまた何かを呟きながら玄関から出ていく。

   廊下を確認すると、床が血まみれになっていて、人の脚のような物が2本置いてある。

   廊下の突き当たりでは、そこに有るはずのない水道の蛇口が水を吐き出している。

   蛇口のハンドルを捻っても水は止まらず、止水栓を2つ閉めたらやっと水が止まった。

   二階で寝ていた父が目を覚まして降りてくる気配がする。