2018年10月21日日曜日

知らない男

 
   そこは自分の家にそっくりだが、どこか微妙に違う場所。

   突然知らない男が茶の間に入って来る。その男は裸で、全身血だらけ。手に包丁を持ってニヤニヤ笑いながらこちらに何かを訴えかけている。
   男の言葉ははっきりとは聞き取れなかったが、「病院」とか「怪我」とか言っているように聞こえたので、僕は救急車を呼ぼうかと男に告げる。だが男はまた何かを呟きながら玄関から出ていく。

   廊下を確認すると、床が血まみれになっていて、人の脚のような物が2本置いてある。

   廊下の突き当たりでは、そこに有るはずのない水道の蛇口が水を吐き出している。

   蛇口のハンドルを捻っても水は止まらず、止水栓を2つ閉めたらやっと水が止まった。

   二階で寝ていた父が目を覚まして降りてくる気配がする。

0 件のコメント: